2011年4月6日水曜日

御霊櫃峠出陣中日記帳其の13

小川宗意医師之願書之事
1、紙面御願申上候、然者(しからば)中地方面、杉田兵庫隊江(へ)附添(つきそい)被置(おかれ)候医師、佐藤玄龍、高橋玄専、御渡ニ相成罷有候処、先達而(せんだって)杉田兵庫隊宮川表出陣之御医師壱人共召連三森峠、御霊櫃両処、御固メ之御人数、病気等有之(これあり)候節ハ、城下療治為仕難渋之上より私差配、小川定助親、宗意等申者、幼少より、医道ニ心を寄(よせ)長崎表迄罷登り、永々稽古仕居(剣術その他諸々の稽古)、医道之儀鍛錬之趣、兼而(かねて)伝承仕罷有候処、差配之地方(ちかた)一統より此節家居罷有、且つ又遠村近村ハ申迄も無之(これなく)、城下迄も療治仕居(つかまつりおり)候趣ニ御座候処、右人御人数療治ト而(とて)被仰付度趣(おおせつけられたきおもむき)手元迄申出候ニ付、尤成儀ト故、早速表迄願達仕候へ共、未タ(いまだ)御差図(おさしず)ニ不相成(あいならず)亦々(またまた)此度、鈴木式部隊上小屋迄今日出陣ニ相成候ニ付而(ついて)ハ医師共召連、跡療治可致人無之、于(ここに)今も病人等、有之候而(これありそうろうては)甚だ難渋至極成る儀ト奉存候(ぞんじたてまつりそうろう)、仍而ハ(よっては)右宗意、被仰せ付被下置度(おおせつけられ、くだしおかされたく)奉願候(ねがいたてまつりそうろう)
被仰付候儀ニ御座候ハゝ(わば)、急置家元迄申遣、当人召呼相勤可申候様為仕度(当人を呼び寄せ勤めさせたく)右以書付御願申上度趣ニ御座候  以上
六月十一日     坂部三十郎
内藤介右衛門様



十七回忌招魂祭追善詠歌

だま祭る実りの庭の
       何となく紅葉ちりとふ
               ここちこそすれ
                    脇坂照正
注釈  だま(御霊)    とふ(飛ぶ)
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